北関東医学
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ソーシャルワーカーからみた緩和医療の現状と課題
関上 里子阿部 清子
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2003 年 53 巻 1 号 p. 13-14

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抄録
医療ソーシャルワーカー (以下, MSW) としてケースにかかわる時には「医療ソーシャルワーカー業務指針」に基いた次のような業務がある.経済的問題の解決・調整援助や療養中の心理的・社会的問題の解決, 調整援助, また, 受診・受療援助や退院援助である.その中でも, 緩和ケアとしてかかわる時に特に重要だと思われたものに療養中の心理的問題の調整援助と受診・受療援助がある.今回はこの二つの援助内容を中心に, 事例を通して現状と課題について検討してみたい.
まず, 療養中の心理的問題の調整援助については, 傷病や療養に伴って生じる家族関係の葛藤に対応し家族関係の調整を援助することで, 疾病を受容し医療をすすめていくうえでも欠かせないものであると考える.何らかの問題に直面した時, 特に死を意識するような重大な問題がある時に, 家族がそれらを共有できない場合は, 家族関係の葛藤が生じる.家族関係は長い時間をかけて築き上げられた関係であり, 深いものでもあるため解決は容易ではない.その葛藤した関係が告知の場面で顕著に表出した事例について検討してみた.
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