北関東医学
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育児期の母親の出産体験と心理的健康に関する研究
國清 恭子阿部 祥子土江田 奈留美中島 久美子常盤 洋子
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2004 年 54 巻 2 号 p. 125-135

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抄録

【背景と目的】本研究は, 産褥早期と産後1ヶ月までの母親の出産体験の物語の内容と意味づけの変化をとらえ, 出産後の母親の心理的健康を高める援助のあり方を検討する資料を得ることを目的とした.【対象と方法】対象は初産婦2名で, 産褥早期及び退院から産後1ヶ月以内の計2回, 「あなたの出産体験はどうでしたか」と問い出産体験についての半構成的面接を実施した.面接内容は録音テープから逐語録を作成し, 出産体験の物語の内容, 意味づけの変化, 振り返りの意義を抽出した.【結果】2例とも出産体験の物語構成による振り返りによって, 心理的変化があった.1回目は事実を話す, 気持ちを言葉に出すという内容であったが, 2回目には自己を認める発言が聞かれ自分なりの意味づけがされた物語となって構成されていた.【結語】出産体験の物語化の援助のありかたとして, 聞き手の存在と聞き手の関わりの重要性が示唆された.

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