日本鉱物学会年会講演要旨集
日本鉱物学会2003年度年会
セッションID: K4-11
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プラズマ中でのカーボングレインの挙動
*佐藤 岳志上辻 勝也木村 勇気鈴木 仁志谷垣 俊明城戸 修車田 真実墻内 千尋塚本 勝男
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抄録

物質創製や材料加工の分野において、プラズマ技術は幅広く利用されてきているが、プラズマ中での物質との相互作用に関する系統的な実験的研究はほとんど行われていない。そこで宇宙でのプラズマと粒子の相関に着目し、ガス中蒸発法にプラズマフィールドを導入し、ベルジャー内に設置した平行平板電極間にRFプラズマ(13.56MHz)を発生させ、下方に設置したカーボン棒を簡易アーク放電法により蒸発させ粒子を創製し、その粒子をプラズマ中に直接流し込んだ。メタンガス中では、オニオン状の粒子が多く創製されるが、プラズマ中を通過させるとその構造は、グラファイト板状の結晶に変化し、その中には、スフェリカルカーボンやナノチューブも多く生成していた。粒子がプラズマ中を通過する速度は非常に速いことから、これらの構造は瞬間的に形成され結晶成長している。雰囲気ガスにヘリウムを選択し同様の実験を行ったところ、300nmのフラーレン単結晶の成長が見られた。これらの結果は、最近、隕石中で発見されたフラーレン関連結晶や、カーボンナノチューブの存在を裏付ける結果としても重要であると考えられる。

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© 2003 日本鉱物科学会
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