SiOxは酸素リッチスターや銀河中心に見られる10から20μmの赤外吸収バンドの起因の物質と考えられており、その構造は天文学において重要なテーマとなっている。しかしその蒸着膜、微粒子はアモルファス構造をとるのでその解析は難しく、構造は明らかにされてはいなかった。当研究室ではSiOxに関して高分解能電子顕微鏡像、電子回折パターンの解析、RDF解析をもちいて研究を行い、赤外吸収のピーク位置の変化はSiO2の多形により説明できることを示した。本研究でSiO,SiO2微粒子の真空中加熱による構造変化の様子をin-situで観察し、構造の変化や結晶化について調べた。その結果、SiO微粒子の真空中加熱によりSiO微粒子中にSi微結晶が成長することを明らかにした。900℃ではSiO微粒子全体がアモルファス構造に変わり、その一部が蒸発することを見出した。真空中加熱後のSiO微粒子はSi,β-クリストバライトからなっている事がわかった。SiO2微粒子の真空中加熱実験では800℃付近で焼結をおこし粒子同士が接合すること、蒸発-凝縮の結果としてSi微結晶が生成する事がわかった。900℃ではSiO微粒子の加熱実験と同様に共晶融合による部分蒸発を起こすことがわかった。