抄録
岩石や土壌は様々な鉱物で構成されており、表面の不均一な元素分布とその化学結合状態を画像として測定できれば、風化などの表面化学反応過程の解明に役立つと考えられる。そこで本研究では、X線光電子像を用いた表面のイメージング(X線光電子顕微鏡法)による、花崗閃緑岩中の造岩鉱物のケイ素の状態分析を試みた。岩石薄片試料の石英と黒雲母の境界領域で、走査型のX線光電子分光装置を用いてSi 2p光電子像(0.5×0.5 mm)を測定し、得られた光電子像を二つの鉱物のSi 2p光電子スペクトルのケミカルシフトに基づいて分離した。その結果、Si 2p光電子の結合エネルギー差が1 eV程度あれば、ケイ素の化学結合状態別イメージングが可能であることが分かった。