抄録
高温型石英の仮晶をなす石英(以下,高温石英)を対象に,CLの温度消光効果をMott-Seitzの配位座標モデルに基づき定量的な検討を行った。室温でのCLスペクトル測定では,いずれの試料においても450nm(2.75eV)と630nm(1.97eV)付近をピークとする発光を示す。−192℃から室温までのCLスペクトル測定では,いずれの試料も450nmから480nm付近にダブレットピークをもつスペクトルが得られた。高温石英は,ほぼ一定の割合でCL発光効率が減衰し,−192℃から−10℃で活性化エネルギーは0.057eVから0.076eVの値をとる。低温型石英は,−110℃以上の温度になると発光効率が急激に減衰する。高温型から低温型に転移する際に生じる歪みが,結晶中に生成される格子欠陥に影響を及ぼし,異なるCLの温度消光効果を生じている可能性が示唆される。