抄録
Ca-Mg系炭酸塩鉱物を低温下(-192℃)から試料温度を制御してCLスペクトル測定を行い、温度消光効果について考察した。Mn含有量の高いCalcite(Mn: 9170 ppm)は、試料温度の上昇とともにCL発光強度は小さくなり、-110℃までにおいて顕著であった。この温度消光過程は、Mott-Seitzの配位座標モデルを仮定でき、Arrheniusプロットから活性化エネルギー0.042 eVが求められた。一方、Mn含有量の低いCalcite(Mn: 129ppm)は、試料温度が上がるにしたがいCL強度が増大した。このような報告例はない。MagnesiteのCL強度は、-70℃以上の試料温度で減少がみられたが、その割合は小さかった。Dolomiteは、低温下においてCLスペクトルピークが明瞭に分離し、各々がCaサイトとMgサイトを占めたMn(II)イオンの発光中心に帰属できた。いずれの鉱物も、試料温度の上昇とともに、スペクトルピークは短波長側へシフトし、半値幅は大きくなった。