海洋プレートの沈み込みに伴いそのプレートの一部を構成している玄武岩がマントル深部にもたらされる。玄武岩組成を出発物質とする高圧高温実験は、アルミニウム成分に富んだカルシウムフェライト型結晶構造を持つ相が高圧下で安定に存在することを示してきた。その相の主成分であるカルシウムフェライト型MgAl2O4に関しては高圧合成の困難さから単結晶法による構造解析はまだなされていない。そこで、本研究ではカルシウムフェライト型MgAl2O4を高圧高温合成し、回収試料の粉末X線回折プロファイルを用いてリートベルト解析を行った。解析の結果、格子定数は a = 9.9429(5)Å, b = 8.6455(5) Å, c = 2.7900(1) Åと決定された。また、原子座標や熱振動パラメーターも精密化された。