抄録
cBNには2本のラマン線が観察されるが、そのうちのLO線(室温で1305cm-1)は1350℃まで、TO線(室温で1055cm-1)は1400℃まで観察できた。各温度より高温では熱輻射が作るバックグラウンドに埋もれてしまう。高圧条件では、cBNと水を300℃まで観察した。水のO-H基本振動によるラマン散乱光は幅広のピークを形成する。そのスペクトルを2つのピークに分解した。それらの振動周波数の圧力依存性は、以下の温度圧力条件で変化する:25℃、0.4GPa、100℃、1GPa、 300℃、1.3GPa。その解釈として、その温度圧力条件で、水の構造が変化している可能性を提案した(KawamotoたちJ Chem Phys 2004)。cBNのラマン散乱のTO線の圧力による変化率は300℃(6GPaまで)、200℃(32GPaまで)で、従来報告されている室温の値と同一であった。cBNのラマン散乱線の温度依存性と圧力依存性が測定した温度圧力範囲ではお互い独立であると仮定することができる。そうであれば、cBNのラマン散乱線は圧力計として使えるかも知れない(KawamotoたちRev Sci Instrum 2004)。