抄録
発達障害を持つ保護者は,定型発達児の保護者と比較して,育児に対するストレスは高いといわれている.また,そのストレスの背景として特に,子どもの障害や症状を受容できないことなどが挙げられている.そこで今回,育児中の保護者を対象として,発達過程に重要な要素を知ることで子どもの気になる行動を理解し,育児に対する困難感やストレスを軽減させる目的で子育て支援講座を実施した.講座前と講座1週間後に対児感情評定尺度と母親のストレス尺度を実施した結果,発達 障害児の保護者の対児感情における拮抗指数とストレス尺度に有意な低下がみられた.障害を持つ人のみならず,その家族へのサポートとして,作業療法士が地域の子育て支援に参画することの意義と有益性が示唆された.