高知リハビリテーション学院紀要
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各種間接法による最大酸素摂取量推定値の妥当性
大倉 三洋中屋 久長山本 双一小嶋 裕酒井 寿美坂上 昇
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2000 年 1 巻 p. 15-24

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抄録

一般健常者を対象に体力づくりを行うとき,最もその基盤となる最大酸素摂取量(VO₂max)を推定することが極めて重要である.そこで健常男子学生(平均年齢21±1歳)10名を対象に,自転車エルゴメータを用いてVO₂maxを実測するとともに,VO₂max推定のための既存の各種間接法の妥当性について検討した.1)今回測定した被験者のVO₂maxは32.81~44.72ml/kg/min(平均38.90±4.7ml/kg/min),最大運動時のHRは182~196beats/min(平均188±1beats/min)であり,同年齢の平均的値であった.2)自転車エルゴメーターを用いた,単一の作業負荷におけるHR値からVO₂maxを推定するAstrandとFoxの方法ではAstrandの方法が実測値との相関が高く,推定誤差率,標準偏差も小さく推定精度が高かった.3)2~3つの複数の作業負荷におけるHR値からVO₂max推定するMargariaとエルゴサイザーの方法ではエルゴサイザーの方法が実測値との相関が高く,推定誤差率,標準偏差も小さく推定精度が高かった.4)単一の作業負荷と複数の作業負荷では簡便さという点では問題はあるが,複数の作業負荷からVO₂maxを推定する方法が推定誤差率,標準偏差が小さく,より妥当性が高いことが示唆された.

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© 2000 高知リハビリテーション学院
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