2000 年 1 巻 p. 57-62
在宅脳卒中患者の日常生活活動(以下ADL)能力は,在宅という環境下になると実際行っている活動「しているADL」と可能な活動「できるADL」が一致しない場面が見られる.これについては,以前より多くの追跡調査結果が報告されている.本来,人が生活を営む上でADLは,基本的な活動であり,行為である.その行為は,パーソナリティを形成する一部であり,重要な要素である.また,パーソナリティを形成する要素の中でも情意領域は,人の生活そのものを形成していくものであり行為を支えている.これは,人の主観的側面でもあり,患者・介護者にも同様のことがいえる.そこで,このように入の生活を形成している情意領域に注目し,ADL評価として,患者・介護者の知識,技術と共に主観的側面である情意領域について評価表の作成及び評価を試行した.その結果から,生活における情意領域の意義を検討していく.