高知リハビリテーション学院紀要
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言語療法学科における情報処理教育についての考察-第2報-
竹林 美佳笠井 新一郎稲田 勤
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2001 年 2 巻 p. 77-83

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抄録

近年,専門化・分化が進んできた教育・研究の各分野では“国際化”“情報化”とともに,“総合化”が重要視され始めている.情報処理教育現場では,的確な授業方法を模索するために,総合的な教育方法が様々な工夫のもとで実施され始めている.このような状況の中で,今後,より一層効果的で達成感のある授業内容を組み立てることを目的として,言語療法学科1年生対象の「情報工学」の授業目標・方法論について考察した.本年度の「情報工学」の授業目標は以下のとおりである.①パソコンの基礎的な操作技術に最も重要であると考えるキーボードタイピング技術の習得を奨励する②他の専門授業と連携をとることで,総合的な情報処理能力を育成する.授業内における学生への学習動機づけが重要であることは明白である.とりわけ言語療法学科サイドで行うパソコンの積極的な奨励は,学生にとって大きな外発的動機づけとなる.また,学生本来の知的好奇心に関係する内発的動機づけも重要であると考え,授業内でタイピング訓練など,さまざまな工夫を行った.さらに,情報処理技術を他の授業課題に積極的にフィードバックできるような授業間の連動性をもたせたために,より総合的な情報教育が可能となった.そして,このような動機づけの工夫と総合的な情報教育が,学生の学習過程においてより効果的であるのではないかと考え,受講学生にアンケート調査を試みた.集計結果より,総合的な情報教育内容や授業間の連動性は,学生の学習過程で大きな動機づけとなり,学生の主体性を伸ばし,情報活用能力の養成に有効に働くことが明らかになった.

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