高知リハビリテーション専門職大学紀要
Online ISSN : 2435-2543
Print ISSN : 2435-2535
高次脳機能障害を伴う片麻痺患者に対するトイレ下衣操作練習
応用行動分析学的介入の効果
一本柳 千春荒井 沙織加藤 宗規山﨑 裕司
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2021 年 2 巻 p. 13-18

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抄録

高次脳機能障害を合併した片麻痺患者のトイレ動作中の下衣操作に対して応用行動分析学に基づく介入を実施し,その効果について検討した.症例は,5名(男性2例,女性3例)の脳血管障害片麻痺患者.年齢は,69.6歳(41-81歳)であった.トイレ動作中の下衣操作を立位保持練習と下衣操作練習の2段階に分けた.立位保持練習は,前回のバランスの崩れた回数を伝えてから開始した.そして,前回よりも回数が減少した場合,データを示して称賛した.バランスの崩れがなくなった後,課題分析表に基づいた下衣操作練習を実施した.介入開始後,全症例で改善が見られ,下衣操作を6日から10日で獲得した.Functional Independence Measureの「トイレ動作」の項目は全症例で5点に改善した.以上のことから,トイレ動作中の下衣操作を自立させるうえで,今回の介入は有効に機能するものと考えられた.

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