高知リハビリテーション専門職大学紀要
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超高齢重度片麻痺患者に対する牽引を用いた起き上がり練習
中山 智晴佃 匡人森 純氣山﨑 裕司有澤 雅彦古谷 博和
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2021 年 2 巻 p. 19-25

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抄録

超高齢重度片麻痺患者に対して,牽引を利用した起き上がり動作練習を実施し,その効果についてシングルケースデザインを用いて検討した.症例は101歳女性,介入前の左側Brunnstrom recovery stageは上肢・手指・下肢Ⅰレベル,寝返り・起き上がりは,全介助であった.介入では,オーバーヘッドフレームに設置した滑車とロープ,重錘を用いて,側臥位にある対象者の上半身を起き上がり方向へ牽引し,起き上がりに成功させた.そして,段階的に重錘の重量を減少させていった.寝返り練習は,逆方向連鎖化と段階的難易度設定の技法を用いて実施した.寝返りは,初日のうちに監視下で可能となった.起き上がりは,介入から7日目以降,監視下で可能となった.介入中,身体機能に著明な変化はみられなかったことから,今回の介入は寝返り,起き上がり動作の技術を学習させるうえで有効なものと考えられた.

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