行動リハビリテーション
Online ISSN : 2758-7924
Print ISSN : 2186-6449
脳血管障害患者のバランス能力とADL自立度の関係
宮本 真明松本 卓也工藤 大志上田 美樹尼子 雅美雨宮 耕平鈴木 誠長谷 公隆
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2012 年 1 巻 p. 16-22

詳細
抄録
脳血管障害患者において日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)の自立にどの程度のバランス能力が必要であるのかは定かではなく,臨床においてバランス能力の向上に対する目標値の設定が曖昧になっている.今回我々はADLの自立に必要なバランス能力を明らかにすることを目的に,回復期リハビリテーション病棟入院中の脳血管障害患者90例における「しているADL」とバランス能力の関係を調査した.その結果,食事,整容,椅子への移乗,トイレ動作,更衣,入浴動作の順でより高いバランス能力が要求されていた.各ADLにおいて非自立群の Functional Balance Scale(FBS)の得点は自立群に比べて有意に低値であり,ADL毎に自立が困難となるFBS得点の閾値が存在すると考えられた.また,FBSは椅子への移乗動作およびトイレ動作の自立度判定に有用であることが示唆された.その他のADLに関してはFBS得点のみで自立度を判断するのは適切でないと考えられた.
著者関連情報
© 2012 行動リハビリテーション研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top