抄録
日常生活動作の障害に対する介入はリハビリテーションの根幹をなすものだが,はたして作業療法士,理学療法士,言語聴覚士は,「どのような対象者に,どのような日常生活動作訓練を,どの位の期間行ったら,どの程度動作が向上するか」という問いに答えることができるだろうか?これらの問いについて考えるため,本稿では,(1)日常生活動作障害に運動機能や認知機能の障害が影響しているか?(2)運動機能や認知機能の障害はどの程度改善するか?(3)日常生活動作障害は,運動機能や認知機能の障害のみによって説明できるか?(4)日常生活動作の学習を促進するためのポイントは何か?(5)臨床ではどのような日常生活動作訓練が行われているのか?という 5 つの側面から日常生活動作訓練について考察した.