抄録
沖縄県西表島から,ビロウドコガネ属Maladera に属する1 新種を,M. taiheii の名で記載した.現在までに西表島からは,狭義のMaladera 属に含まれる種として,Maladera oshimana Nomura, 1962, M. yaeyamana Nomura, 1963, M. opima Nomura, 1967, M. kawaii H. Kobayashi, 2010 の4 種が記録されている.今回の新種の発見により同島からは5 種目の記録となる.本種は,同島に分布する種類の中ではM. kawaii に最も近いが,頭楯はなだらかに中高で前縁後方に凹線がないこと,眼の付近を除く頭頂と前胸背板の前縁には直立毛を欠くこと,各腹節には横1 列の毛が中央付近ではやや不規則の並びとなることなどから区別できる.また,前脛節が2 外歯であることからM. yaeyamana とは異なり.また,腹節には1 列の毛が並ぶことからM. oshimana およびM. kawaii とも異なる.さらに,体長はM. opima より明らかに小さいことから,同島に産する種類とは簡単に区別することが出来る.加えて,♂交尾器の形状は国内に分布するMaladera 属のいずれの種類とも明らかに異なる独特の形状を持っている特異な種類と言える.なお,学名および和名は本種の採集者である松下泰平氏に献名したものである.