抄録
カタビロホソハナムグリ属 (Callynomes) は,現在までにフィリピンから6 種類が記載されている.今回,フィリピンのルソン島 (Luzon Is.),カミグイン島 (Camiguin Is.),カタンデュアネス島(Catanduanes Is.),レイテ島 (Leyte Is.),ネグロス島 (Negros Is.),ミンダナオ島 (Mindanao Is.),及び今まで本属の分布記録がなかったインドネシアのスラウェシ島 (Sulawesi Is.)から,9 新種1 新亜種,Callynomes borealis sp. nov., C. brevispinus sp. nov., C. camiguinana sp. nov., C. meridionalis sp. nov., C. nishiguroi sp. nov., C. parva sp. nov., C. sakaii sp. nov., C. sulawesiana sp. nov., C. variabilis sp. nov., C. variabilis negrosensis subsp. nov. を記載するとともに既知の6 種を含めたリストと検索表を作成した.また,未知であったC. niveoguttata Sakai, 1997 の雄及びC. palawanicus Jákl, 2011 の雌個体の記載を行うとともに,C. niveosparsa Mohnike 1873 をレイテ島から,C. luzonica (Schultze, 1916) をミンドロ島(Mindoro Is.) とサマール島 (Samar Is.) から,C. fujiokai Sakai, 1997 をルソン島とレイテ島から初めて記録した.なお,ボルネオから記載されたC. minettii Antoine, 2001 は,フィリピンから知られている種類と比べると,1) 触角第1 節の先端が大きく拡がり,第2 節は完全にその下に隠れる,2) 前・中跗節は細く,ほとんど点刻されない,3) 後脛節は細長く円筒形に近く,横にほとんど拡がらない,4) ♂交尾器の形状は単純で,中央先端に突起状の構造を持たないなどの諸点から,真のCallynomes ではないと判断し本報告からは除外した.