企業の不祥事が発生した時、企業とジャーナリストは「守り」と「攻め」の役割として向かい合う。不祥事の際に企業が発信するメッセージについて、ジャーナリストはどう見ているのか。両者は同様の考え方に立っているのか。この疑問に答えるため、不祥事の際の謝罪スピーチ原稿を企業の広報職とジャーナリストに起草してもらい、「謝罪のストラテジー」によって分析した。その結果、広報職が謝罪表現を多く用いることによって企業自らの姿勢をより低く見せ、オーディエンスからの厳しい視線を緩和しようとする傾向がある一方、ジャーナリストは客観的事情説明や補償、製品回収など実質的・経済的な対応に言葉を費やす傾向があることがわかった。