2018 年 83 巻 p. 15-23
本研究では,小学校段階における討論学習の必要性と指導すべき要点を再検討することを目的とした。そのため,他者からの異論を聞くのみの学習と討論学習とを認知面及び心理面から比較してその差異を分析した。
その結果,討論学習の必要性として以下の3点を導出した。①議論された意見を取り入れながら自分の考えを発展させられること,②思考をどのように進めるかを学ぶ場となること,③互いの意見や立場を尊重することや協同的な態度の大切さを学べること,である。また,指導の要点としては,討論における質問・賛同・創出の大切を学ばせること,思考に柔軟性をもたせること,ふり返る場面を設定すること,協同探究の態度を育成すること,が挙げられる。