国語科教育
Online ISSN : 2189-9533
Print ISSN : 0287-0479
83 巻
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Ⅰ シンポジウム(要旨)
秋期学会 第133回 福山大会
コンピテンシーと国語科教育
Ⅱ 研究論文
Ⅲ 実践論文
  • 高松 美紀
    2018 年83 巻 p. 42-50
    発行日: 2018/03/30
    公開日: 2018/04/27
    ジャーナル フリー

    本稿は、「伝統的な言語文化」を相対化することの意義と、そのリテラシーの育成にTOKの援用が有効であることを、世界俳句(HAIKU)の授業実践によって検証したものである。学習者は、「HAIKUは『俳句』といえるか」を中心に、「なぜそう言えるか」「どの程度翻訳は可能か」等TOKを意識した問いの検討を通して認識を変化させた。当初は「日本固有の文化」として形式的条件からHAIKUを「俳句」ではないと主張していたが、機能的意義の気づきを得てHAIKUへの理解を深め、外国の俳人への敬意が生まれた。これは同時に、自文化の価値の再発見となっている。こうした自文化を絶対視する態度を保留し、多角的に自文化の独自性と普遍性を吟味して判断することは、「伝統的な言語文化」を相対化して捉えるリテラシーの獲得といえ、主体的に「伝統的な言語文化」を継承する役割を担うことにつながる。TOKを意識した問いは、学習者に前提を自覚させ、知識をメタ的に吟味し、主体的に判断する姿勢を促したといえる。

Ⅳ 書評
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