2019 年 85 巻 p. 14-22
先行研究では、学習者自身の音声を用いることによって、どの程度の効果があるのかこれまで十分に示されてはいない。そのため、本研究では話し合いの事後指導のため音声・文字提示型教材を開発し、学習者自身の音声を用いる影響を明らかにするために、4つの調査を3つの分析によって検討した。
その結果、学習者自身の音声は、話し合いの質を変化させ、自らの話し合いそのものを振り返り話し合うことを可能にする。さらに、話し合いの内容と方法を振り返る機能が内在される可能性が学習者の姿から導出された。しかし、限られた一部の学習者対象の調査のため、学習者自身の音声の効果を測る手がかりが得られたにすぎない。今後の調査によって、音声・文字提示型教材に話し合いを振り返る機能がどの程度備えられているのか精緻に検討する。