2022 年 6 巻 3 号 論文ID: e00146
症例は51歳男性,発熱,咳嗽,筋肉痛で発症し前医で肺炎と診断され加療受けたが症状が悪化したため当科を受診した。頭痛,鼻出血を伴い,炎症反応高値,血清Cr上昇,尿蛋白+,尿潜血2+,胸部CTで両側肺野に大小の多発結節影,浸潤影,すりガラス陰影,末梢肺血管の拡張と毛羽立ち,縦隔リンパ節腫大など多彩な陰影を認めた。入院後に急速進行性糸球体腎炎を呈し,MPO-ANCA陽性,PR3-ANCA陰性であった。主要症状と肺生検に基づき多発血管炎性肉芽腫症と診断し,ステロイドパルス療法とシクロホスファミドパルス療法により軽快退院した。