抄録
これまで非ローマ字テキストの電子的な保存・交換・公開のためには様々な方式が提案されてきたが、一般の研究者にとって必ずしも満足がいくものではなかった。本稿では、近年普及しつつあるUnicodeとXML(eXtensible Markup Language)の二つの技術に着目し、筆者の専門分野である東南アジア島嶼部の古ジャワ語テキストを例として、Unicodeが非ローマ字テキストを電子的にローマ字翻字するための理想的な方式であること、XMLがテキストの構造を維持しつつ一般的かつ長期的に安定した電子テキストの保存・交換・公開の方法として適切であることを示したうえで、二つの技術を組み合わせて古ジャワ語テキストのローマ字翻字テキストをウェブ上で公開した実践例を紹介し、UnicodeとXMLの組み合わせが非ローマ字テキストを電子的に保存・交換・公開するための方法として有望であることを明らかにした。