コンピュータ&エデュケーション
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特集 デジタル・アーカイヴズと歴史研究・教育
貴重書デジタル・アーカイヴの技術
樫村 雅章
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2005 年 18 巻 p. 12-20

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抄録

デジタル・アーカイヴでは,対象となる文化遺産を忠実にデジタル化することが重要となる。これは貴重書を対象とする場合には,本を直接閲覧する代わりに用いることのできるような,高精細で品質のよい全ページ分のデジタル画像群を制作することにあたり,そのような画像群をデジタルファクシミリと呼んでいる。慶應義塾大学HUMIプロジェクトでは,ブック・クレイドルなどの特殊な装置を開発し,貴重書デジタル化の手法を確立してきた。ここではまず,貴重書のデジタル化に用いられる画像の取得方式についてとりあげ,続いて,冊子本と巻物それぞれの撮影手法を概説する。さらに,撮影で得られた画像をデジタルファクシミリとして完成する手順を説明し,最後にHUMIプロジェクトが構築に関わってきた貴重書デジタル・アーカイヴのいくつかの例を紹介する。

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© 2005 一般社団法人CIEC
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