2005 年 18 巻 p. 128-135
現代の情報化社会において,文部科学省はこれまでの「画一」で「均質」な教育を反省し,「主体性」の育成を重視するようになった。その一環としてコンピュータ・インターネットの教育利用は積極的に推進されている。教育における「画一性」,「均質性」は明治以降から構築されていった教室における近代的時空間そのものが密接に関連している。しかし,これまでのコンピュータ・インターネットの教育活用研究の多くは,それらが利用される学校・教室まで視野に入れていない技術決定論的なものであった。今後は,学校・教室までを視野に入れたコンピュータ・インターネット活用が求められ,それによって「主体性」を育成しうる可能性を提示できると考えられる。