過去の多くの研究において,電子テキストは紙テキストよりも読みやすさの面で劣ることが指摘されてきた。電子テキストの読みやすさが劣る一因として,各種読解方略の使用が紙テキストに比べて制限されてしまうことが考えられる。そこで本研究では,各種の学習技能を体系化した読解方略として知られているSQ3R法の適用を促進するWebテキスト読解支援システムを開発し,そのシステムの有用性を検証した。評価実験では,三つのメディア(提案システム,一般的なWebインターフェース,印刷された紙)の読みやすさを比較した。その結果,提案システムの有効性・満足感は他の二つに比べて,統計的に有意に高いことが示された。よって,体系的な読解方略の適用を促進する我々のシステムは,Webテキストの読みやすさを向上させることが確認できた。