抄録
中学校と高等学校で情報科を担当し,その中で行っている「情報モラル」の授業内容を紹介する。社会で起こった事件や報道されたニュースからテーマを取り上げているが,生徒の手本には成りえない大人がいる実社会である。好奇心旺盛な年頃は劣等感と隣り合わせでもあり,多感な思春期の生徒にあるべき姿であるモラルを教えるのには工夫がいる。筆者が授業で感じたことから,問題点と今後の展開についての提言を行う。日々変化する社会と進化する情報通信技術の影響の中,「情報モラル」を指導するに当たり,教室という時空にとどまらない新鮮な教材を求め,指導者自身のあり方を考えるものである。