抄録
学習は教師と生徒の絶えざる情報交換によって促進される。テストは生徒からのフォーマルな情報発信の役割を持つが,生徒の人数が多く,またテストの回数が増えると教師はそれを処理できない。各生徒がPCを持つ時代では,処理の一部を各自のPCが分担し,e-テスティングが生まれる。しかし学習プロセスの中に組み込まれたテストが生徒の学習ナビゲータとして役立つには,教材開発,問題設計,解答処理,データの蓄積,フィードバックの仕方など,個々の反応データを集めそれを集約する技術がうまく機能する学習管理システムの構築が大事である。ここではそれに係わる人たちが前もって考えていた方がよいと思われる事項を挙げ,そのための一助となることをテスト理論と技術の立場から考えてみた。