2017 年 42 巻 p. 25-30
秋田リハビリテーション学院(2015年設立,4年生課程理学療法士養成専門学校,1学年40名)では,ICTを活用した学内無線LANの活用によって,将来的には160人の学生を対象として教育上の情報伝達システムの導入を試みた。学生が個々に所有するタブレットにダウンロードされた教科書,辞書,参考書及び授業で配布される教材資料の電子版を学内外どこでも閲覧を可能にし,学内ではレポート等の提出を可能としたシステム構築を考えた。膨大な教材資料のダウンロードが可能なシステムの導入には,校内LANの充実が不可欠である。そこで,メインサーバにNAS(6TB)を設置,プロバイダにOCN(通信速度6,5-173.4Mbps)による光回線を利用,高性能スイッチングハブ(Layer3 switch)を設置して,教員,学生,事務の3系統に分離した。学内無線LAN機能を学内のどこでも運用可能とするため,無線アクセスポイント装置5台を設置した。教員,事務職員はノートPC,学生はタブレットを使用した。以上の学内LANの装置構成で上述の目的を達成することができた。学生が一斉にデータをダウンロードする時に発生することのあるフリーズ状態は解決しないものの,このICTの導入の根本的考え方と動機であった紙媒体削減,経済的節約,即時的対応の一歩が踏み出せたと考える。