本研究では,児童の「書く」ことの苦手意識の軽減と論理的な文章力育成をめざしたアプリの開発をおこなった。開発したiPad用アプリ『ロンリー』の特徴は,主張の根拠となる「画像」を取り込み,その画像から読みとれる「事実」とそれに対する自分の「意見」を書き分ける欄を設けたことである。また,「画像」・「事実」・「意見」を1パラグラフとし,画面上で自由に順番を並べ替え,文章の構成ができる。さらに,アプリ操作のログや保存時の変更ログがとれ,児童の文章をつくる過程や改善活動の分析に活用することも可能である。『ロンリー』を活用した実践の結果,児童の「書く」ことの苦手意識の軽減に一定の効果が見られた。