2018 年 45 巻 p. 23-30
大規模オンラインテスティングシステムによって蓄積されるデータを用いることで実際に教育改善に役立つラーニングアナリティクスを行うことが可能になる。例えば,毎授業で実施されるオンラインテスティングの結果を蓄積し,それを項目反応理論によって習熟度を推定し,そのトレンドを分析することで,学生の期末試験の合否を予測することが可能になる。これは,ドロップアウトのリスクの可能性のある学生を早期に特定することにつながり,早い段階でその学生を支援することができる。本論文では,ドロップアウトリスクの危険性を取り除くために,ラーニングアナリティクスを指向した教育改善方法論が提案できることについて述べている。パラメータ推定には機械学習の方法も取り入れている。