コンピュータ&エデュケーション
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特集「AI時代における教育と学習について考える」
英単語並べ替え問題における機械学習による学習者の迷い検出の試み
宮崎 佳典 相馬 あおい厨子 光政法月 健
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2018 年 45 巻 p. 31-36

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抄録

 e-Learningシステムの発展と普及により,学習者の解答状況の把握や,解答に至るプロセスを履歴情報として残すことがより容易になってきている。マウス軌跡も,単位時間ごとのX,Y座標値による離散的なもので補間すればよいと考えれば,その取得は難しいものではない。そこで我々は,解答中にマウスが頻繁に移動する英単語並べ替え問題を取り上げ,マウス軌跡ならびにその他の履歴データを取得・分析するWebアプリケーションを開発している。その主たる目的は,学習者が解答を導き出すまでの過程で迷いが発生したかどうかを推定することであり,ランダムフォレストを用いた機械学習(教師あり)により,約82%の推定精度を得た。さらに本論では,複数の英単語をまとめて移動する「グループ化」に関する調査も行い,グループ化された単語群は句や熟語生成に能動的に使用されていた可能性が示唆された。

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