抄録
本論文は、外国語としての英語(EFL)を学習する273名の大学1回生を対象に、どのような学習方略の使用がCALLソフトウェアでの学習に効果的なのかを調査したものである。被験者は、筆者らが開発したマルチメディア型CALLソフトウェアを利用して、3ヶ月半にわたり学習をすすめた。その英語能力の向上はCloze テストを利用して測定し、学習方略の使用状況はSILL質問紙を利用して調査した。その結果、成績の向上が優位な群では、1)学習の機会と環境を積極的かつ計画的に利用する方略、2)進捗状況を確認しながら学習をすすめる方略、3)KR情報を引きだすことで学習をすすめる方略、などが多用されていることがわかった。本論文では、これらの結果に基づき、CALLでの望ましい学習法やCALLソフトウェア設計のあり方についても言及していく。