日本蚕糸学雑誌
Online ISSN : 1884-796X
Print ISSN : 0037-2455
ISSN-L : 0037-2455
クワの芽の分離培養に関する研究
I. 冬芽からの茎葉展開および器官形成に及ぼす生長物質の影響
岡 成美大山 勝夫
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 43 巻 3 号 p. 230-235

詳細
抄録

クワ冬芽の分離培養を行い, 冬芽からの茎葉展開および器官形成に及ぼす生長物質の効果を調べたところ次の結果が得られた。
1. 品種「剣持」の冬芽をMURASHIGE and SKOOGの基本培地にベンジルアデニン (BA) 0.1~1.0mg/lを加えた培地で培養すると, 茎葉が展開してシュートが形成され, さらにシュートの基部に不定根形成がみられた。
2. オーキシン (IAA) をBAに複合添加すると, BA単独添加に比べて, 芽の発育には効果がみられなかったが, 不定根形成の時期が早まった。
3. BAを1.0mg/l以上の濃度で添加した場合培養中の葉の主脈上に不定芽の形成される場合があった。
4. BAによる冬芽の発育には品種間差異がみられ, シュート形成の程度によって各品種は三つの型に分類された。

著者関連情報
© 社団法人日本蚕糸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top