日本蚕糸学雑誌
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無菌蚕の低温処理による核多角体病ウイルス感受性の齢別差異
無菌蚕におけるウイルス病の感染抵抗性に関する研究 II
松原 藤好呉 友良森 肇大頭 肇
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1984 年 53 巻 3 号 p. 205-209

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抄録

ウイルスを含む微生物汚染の全くない無菌蚕を用い5℃, 24時間の低温処理によってどの程度ウイルス感受性が高まるかについて発育時期別に検討を行った。1) 接種するウイルスは核多角体および核多角体をアルカリで溶解した後直ちにミリポア・フィルター (0.45μm) で濾過したウイルスを用いた。2) 蟻蚕においては5℃, 24時間の低温処理でウイルス感受性の変化を示さないが, 2齢起蚕からはウイルス感受性は齢が進むに伴い著しく増大した。3) 5齢起蚕に5℃, 24時間の低温処理を施した後, 核多角体を経口接種した場合には, 接種後6時間後には体液中に核多角体病ウイルスの活性が認められた。

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