抄録
水溶性高分子ヒドラジン化合物であるポリアクリル酸ヒドラジド (Hz・PA) の土壌凝結剤としての作用特性を, モンモリロナイトを用いて研究した。1) 粘土分散系のpHを強酸性 (pH 2.6) にしたとき, Hz・PA濃度が増すほど粒子の負のゼータ電位が低下した。このときのHz・PAの電荷は完全にカチオン性で, 凝集効果も最大であった。pH 3.1から4.0の範囲ではpHが上昇するほど粒子の負電位を中和する機能が極度に低下した。さらにpH 4.0以上ではHz・PAの電荷は完全に非イオン性に変わったが, これの凝集機能はpH 4.0以下のときと大差なかった。2) pH 3.0におけるHz・PA―粘土複合体のX線回折によると, Hz・PA吸着量が増すほど粘土の面間隔 (001) が段階的に拡大した。しかしながら, pH 4.0以上でもHz・PAが粘土の結晶層間に吸着された。この場合のHz・PAが吸着される機構は粘土のシリケート表面の酸素あるいは水酸基との水素結合によって吸着されるものと考えられた。