1958 年 15 巻 164 号 p. 850-854
ヘキサを混合したノボラックを加熱または成型して得られる樹脂の窒素量とエタノール可溶分を求めた。その結果, 窒素量は硬化の進行に伴って低減しているが, 硬化のほとんど終了したとみられる樹脂中にも, なお約50%に相当する窒棄が含まれている。ノボラック~ヘキサ混合樹脂中に含まれるヘキサは常温では硬化反応に関係がなく, 未分解のままノボラック中に混在の傾向を示しているが。混合樹脂を加熱するとヘキサは容易に分解する。加熱の温度が低いときには混合樹脂中のヘキサが分解しても硬化反応は少しも進行しないが, 温度が一定値以上になると硬化反応は進行する。これらの現象より硬化反応はヘキサの分解と加熱によるノボラックの活性化とによって進行することを述べた。