高分子化學
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しわの力学
第7報 曲げ繊維の応力分布
鈴木 恵
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1959 年 16 巻 167 号 p. 154-161

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抄録

織物がしわをつくられた状態にあるとき, そのしわのある局部的繊維は折り曲げの状態にあるわけである。これについてさきに村上はレオロジー的に研究したが, 本報では光弾性装置により曲げ繊維最大屈曲部の横断面上の応力分布および長さ方向の応力分布を実測した。その結果, 応力の中立軸は圧縮側にずれ, 曲率の大なる場合には曲げ応力は非屈曲部に及び, その範囲は材料により異なるが繊維半径の2-3倍程度であった。また円形断面の繊維を曲げると断面はダ円に近い形になることが実測されたが, その断面がダ断円になるものとして弾性的に解析し, 最大屈曲部の横断面の応力の補正を行なったが, 曲率が小さな場合には断面を円として取り扱っても大きな誤差がないことがわかった。

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