高分子化學
Online ISSN : 1884-8079
Print ISSN : 0023-2556
ISSN-L : 0023-2556
酢酸ビニルのケトン中の溶液重合
今井 清和上総 雄二郎
著者情報
ジャーナル フリー

1959 年 16 巻 167 号 p. 176-179

詳細
抄録

酢酸ビニルの重合を60℃でアセトン, メチル・エチルケトン, ジ・エチルケトン, メチル・イソプロピルケトンおよびメチル・イソブチルケトン中, 単量体濃度を60~100%の範囲で変えて行なった。得られたポリ酢酸ビニルをポリビニルアルコールとなし, その末端に含まれるカルボニル基を定量してケトンの溶剤移動定数Csを求めた。このCs値は上述のケトンの順でそれぞれ, 1.1, 6.0, 8.0, 約2.2および2.0×10-3であった。他方, 常法の重合度の下り方から求めたCs値は1.1, 5.7, 9.8, 10.2および2.8×10-3であった。メチルイソプロピルケトンの場合を除いては, これら両者の値は比較的よく一致し, 重合の動力学から予想されるように高分子鎖の末端にカルボニル基が導入されていることを認めた。

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top