1959 年 16 巻 167 号 p. 180-184
N-カルボ置換フェノキシ-DL-アラニンの重縮合における溶媒, 置換基, 重縮合温度, 重縮合時間およびモノマー濃度の重合率ならびにポリマーの比粘度に及ぼす影響について研究した。溶媒としてはニト雛ベンゼンが適当で生成ポリマーの比粘度はピリジンートルエン混合溶媒の場合より約2倍も高い。種々のN-カルボ置換フェノキシ-DL-アラニンの100℃ および120℃ での重縮合の結果, 重縮合速度はo-NO2>p-NO2>H>o-CH3>p-CH3の順に低下し, 未置換体では120℃ の重縮合はきわめて速い。重縮合時間に比例して重合率, 比粘度はほぼ直線的に増大するが, ニトロ置換体では重合率の増加勾配はゆるやかで比粘度はあまり高くない。メチル置換体は100℃ では重縮合がきわめて遅いが120℃ では未置換体に似た傾向を示す。モノマー濃度は約6%までが適当である。