1960 年 17 巻 177 号 p. 24-29
前報ではニュートン粘性を仮定していたが, 今回はニュートン粘性であるかどうかを確かめることを目的とした。平行板プラストメーターを用い, 各種の温度と圧力で測定した。ただちにニュートン性であるといえるような簡単な結果は得られなかった。樹脂の試験片は多少なりとも熱分解され, その程度は温度や加熱時間によって違った。さらに試験片をつくるときの条件によっても著しく粘度が違った。結論として, 熱分解さえ問題なければ, 溶融体はニュートン粘性であった。熱分解は粘度と加熱時間の関係や分子量と加熱時間の関係より認めることができた。分解機構は分子主鎖が無秩序に分裂することであって, 末端より切れて行く機構ではなかった。