高分子化學
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二酢酸アミノ基を含むキレート樹脂の合成と性質
大河原 信米田 義章井本 英二
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1960 年 17 巻 177 号 p. 30-36

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抄録

ポリスチレンをクロルメチル化し, これをイミルジアセトニトワルと反応後, 酸加水分解することによって, フェニル核にCH2N (CH2COOH) 2基を含む新しいキレート形成能をもつ樹脂を合成した。この樹脂はCu2+, Hg2+にはそれぞれ0.8, 2.9meq/g (pH5, 0) の吸着能を示すが, 同一条件下でFe2+, Fe3+, Ni2+, Ba2+などは全く交換しない。Cu2+交換能は鋭敏なpH依存性を示し, pH5.1で極大となり, 4以下, 6以上ではほとんど交換されない。非橋かけポリスチレンを原料とすると生成ポリマーは水溶性であり, その紫外線吸収スベケトルからCu2+: ポリマーが1: 2組成のキレートを形成することがわかった。そのほか, ポベールおよびポリ掬クル酸の側鎖に N (CH2COOH) 2基をもつポリマーの合成を試み, それぞれCu2+交換容量0.3, 1.56meq/gのキレート樹脂を得た。

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