高分子化學
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塩化ビニルの重合に関する研究
第16報 ジアルキル亜リン酸エステルソーダを乳化剤とする重合 (その2) 中間実験とスケールアップの問題
宇野 泰三吉田 経之助
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1960 年 17 巻 177 号 p. 68-71

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抄録

ジアルキル亜リン酸エステルソーダを乳化剤とする重合を35ccのガラス容器, 2lおよび500lのステンレスオートクレープで行ない, スケールアップの問題について考察した. 単位重合液の接する器壁面積と必要乳化剤量にはほぼ比例関係がある。容器の大きくなるほど重合液の接する器壁面積は減少するが, 器壁で失われる開始剤を考慮に入れると, それが減少するほど有効なミセル数が増加することになり, 乳化剤量の少なくてすむ理由が説明される。したがって乳化剤量は開始剤量, 器壁面積とともに考慮されなければならない.スケールアップへの段階として35-150cc程度のガラス封管, 500l程度のすートクレーブの順でスケールアップするのが適当であると考えられる。

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