高分子化學
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高級アルキルビニルエーテルの共重合
第7報無水マレイン酸との共重合
赤染 義一酒井 鎮美村井 孝一
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1960 年 17 巻 186 号 p. 618-621

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抄録

炭素数8ないし18の直鎖飽和アルキル基を有するビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合の検討を行なった。高級アルキルビニルエーテルと無水マレイン酸は, 熱またはラジカル開始剤により, よく塊状または溶液共重合が進み, ほぼ等モル比の組成の共重合物が得られる。またモノマー組成において, 等モル比が最も収量が良く, ビニルエーテルの増加とともに, 共重合物の [η] は増加する。開始剤, 溶剤の増加は [η] と収率を低下せしめ, ビニルエーテルのアルキル炭素数の増加は収率を向上するが, [η] は低下する。ドデシルビニルエーテル (M2), と無水マレイン酸 (M1) のモノマーの反応性の比は70℃ のベンゼン溶液熱重合において, γ1=F0.046±0.052, γ2=F-0.046±0.054と測定された。ドデシルビニルエーテルと無水マレイン酸を等モル用いて, ベンゼン溶液の熱共重合速度を測定し, 見かけの活性化エネルギー23.0kcal/molを得た。

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