高分子化學
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結晶性高分子の結晶領域の弾性率
第2報アイソタクチックポリプロピレンおよびポリオキシメチレン
桜田 一郎温品 恭彦伊藤 泰輔
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1962 年 19 巻 205 号 p. 292-299

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抄録

結晶中で分子鎖がらせん構造をとるような高分子結晶の鎖の方向の弾性率 (E) は, 主鎖の結合の内部回転のために小さな値を示すものと予想される、これをみるため、アイソタクチックポリプロピレン (Isot.PP) およびポリオキシメチレン (POM) を試料として, 前報で示したX線法によりEの値を測定し, 各試料に対し次の結果を得た.
これらの値は完全伸長の繊維周期を示すポリエチレンの場合のEの値 (240×104kg/cm2) のほぼ1/5である。
一方DulmageおよびContioisが, 完全伸長より15-20%短縮した繊維周期を有する一連のポリエステル試料について得た値 (4-7×104kg/cm2) に比べると1ケタ大きい. このような結果につき考察を加えた。POMの場合には結晶格子および試料の両方の応力-伸び図において, 対応する応力の点に, 折れ曲りの点が存在し, 試料と試料を構成する微結晶の伸畏の挙動の問に平行した関係が示された.

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