高分子化學
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環状ジエンのカチオン重合に関する研究
第3報シクロペンタジエンおよびシクロヘキサジエンのイソブテンとのカチオン共重合
今西 幸男山根 忠之籾山 善次郎東村 敏延
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1966 年 23 巻 251 号 p. 152-157

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抄録
環状ジエンのカチオン重合性を知るため, シクロペンタジエン (CPD) およびシクロヘキサジエン (CHD) のイソブテン (IB) とのカチオン共重合を-78℃で行なった。溶媒としてトルエンと塩化メチレンが用いられ, CPD-IB系ではBF3・O (C2H5)2およびSnCl4・CCl3CO2Hを, CHD-IB系ではSnCl4・CCl3CO2Hを触媒として用いた。環状ジエンがIBと共重合物を生成することが確認された。共重合比から推定されるモノマー反応性の順序は, CPD>CHD=IBであった。これより環状ジエンのカチオン共重合性はイソブテンと同程度か, それより大きいことが明らかになった。また, CPDとIBの共重合では溶媒の誘電率が低下するとCPDの重合性が増大した。この原因がIBとスチレンのカチオン共重合との類似性から議論された。
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