高分子化學
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N-ジチオカルボニルアルコキシカルボニル-アミノ酸の重縮合に関する研究
第3報重合に及ぼすポリペプチドおよび関連物質の影響
加藤 英雄鈴置 一紘東村 敏延岡村 誠三
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1966 年 23 巻 251 号 p. 158-164

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抄録
N-ジチオカルボニルエトキシカルボニル-アミノ酸 (DTE-アミノ酸) の重合に及ぼす生成ポリペプチドおよび関連物質の影響を調べるため, DTE-DL-α-アラニンおよびDTE-グリシンの重合について, ポリペプチド, およびアミノ酸の影響を検討した。この結果, ポリペプチドおよびα-アミノ酸の存在はともに重合速度を増大させることがわかった。また, 比較のため重合溶媒に可溶のアミノ酸としてp-アミノ安息香酸および重合溶媒に可溶の酸アミドとしてベンズアミドおよびベンズアニリドの影響を検討したが, p-アミノ安息香酸が重合速度を増大するのに反し, 低分子の酸アミドは重合を促進しなかった。副生成物であるエチルアルコールは重合速度を増加するが, 重合度には大きな影響を与えなかった。さらにモノマー中に混入するおそれのある不純物の影響も検討したが, N-エトキシカルボニル-DL-α-アラニンは重合を抑制することがわかった。
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