高分子化學
Online ISSN : 1884-8079
Print ISSN : 0023-2556
ISSN-L : 0023-2556
乳化重合における反応系の温度変化に関する研究
第2報滴下法による酢酸ビニルの乳化重合
藤井 光雄大塚 保治河野 巽
著者情報
ジャーナル フリー

1968 年 25 巻 284 号 p. 817-824

詳細
抄録

70℃の定温水槽中の酢酸ビニル (VAc) の乳化重合 (開始剤: 過硫酸カリ, 乳化剤: 日本油脂陰イオン界面活性剤ラピゾールB-80の固形分sodium dialkyl sulfosuccinate) において, VAcの2/3量, または全量を種々の速度で滴下して加える場合の反応系の温度変化曲線を解析した。また, 滴下開始の時期の影響についても検討した。VAc-H2O共沸混合物の還流が温度変化曲線に重要な影響を及ぼしているが, 滴下法では反応系に存在するVAc量が, VAcの全量を最初から加えてしまう場合に比して少ない状態でも還流が起こっている。反応系に存在するVAc量は, 滴下速度と重合速度の関係ならびに滴下時期に依存している。温度変化曲線を4種に分類したが, これから重合中の温度変化を少なくする方法などを明らかにした。

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top